◇Clown Act◇⇧



「ストップ」


とっさに反応したのはお兄ちゃんだった。


ものすごい大股でこちらに歩み寄ってくる。


目には燃えるような怒気が浮いていた。



「俺の妹になにをした?どこにリングをはめた?本当に殺してやらないとわからないのか?」



だんだんと低くなる声に本気の殺意が滲んでいて、標的ではない私にすら恐怖が飛沫する。



「ハハッ!いいね!やっちまえ!」


「なに笑ってやがる下衆ピエロ!
おい橋本落ち着け!」



愉快そうに手を叩くオレンジピエロをどかし、若松先輩がお兄ちゃんをうしろから羽交い締めした。


そうでもしないと本当にピエロの命を奪ってしまいそうで。


私は立て続けに起こる兄の豹変に動くことができなかった。