「あ、そこのキミもこの王子サマを止めていたね?どうしてだい?キミも誰かの血を見るのが怖かったのかな?」
オレンジのピエロは若松先輩を見た。
一連の流れを傍観していた彼は、たいしたリアクションもないままオレンジのピエロに向き合う。
聡い若松先輩だ。
このピエロが異常なことくらいとっくに察しているだろう。
「このイカれ野郎がピエロを殺そうと殺さまいと俺にはどうだっていい。だが、こちらにはそのピエロを生かしておく利点がある。だから止めた」
声のひとつも震わせずに、若松先輩は普段通りの口調で答えた。
そしてつかつかとパープルのピエロのもとへ歩いてくる。
私と一緒に呆然と場を眺めていたピエロが、不安そうに眉を寄せる。
すると、若松先輩はまっすぐに
手を差し出した。



