◇Clown Act◇⇧



「あ~あ、なんだ。皮ひん剥かないのかよ。つまらないなぁ」



心底がっかりしたような声が空気を割った。


触れかけていた指先がピタリと固まる。


お兄ちゃんでも、若松先輩でも、
日下部くんでも


この、目の前のピエロでもない。


首だけを回す。


声の主は、今まで一言も喋らなかった
2体目のピエロだった。


三日月型に目を細めてゆったりと近づいてくる。


やがて私たちの真ん中までくると、長い足を止めた。


じろり、じろり


高い背を屈めて、私たちのグループ
一人一人の顔をじっくりと見てくる。


観察…というより、品定めされているような感覚だった。


なに、こいつ…。


肌がざわざわする。


放つものがパープルのピエロとは正反対…


どこか危険な香りが全身から漂っていた。