◇Clown Act◇⇧





「ピ、ピエロっ…!」



恐怖か、驚きか。


どちらとも分からぬまま口をついて出た私の声に、2体のピエロがこちらを向いた。


4つの目と視線が重なる。


ありえないことだけど、確かにどちらの瞳とも交ざり合ったのだ。


どうしよう…まさかあっちからくるなんて。


しかもお兄ちゃんからあんな話を聞かされたその直後。


心の準備などまったくできていない状態だ。


私たちのグループに緊張感が走った。


とっさに若松先輩を見れば、鋭いまなざしで警戒しているのがうかがえる。


誰がどう動くか。


膠着状態になりかけたその時


片方のピエロが駆け足でこちらにやってきた。