◇Clown Act◇⇧



「なにあれ…?」



無意識に声が漏れていた。


2階に上がるための階段が、心を持ったように自動的に動き、うねうねとしなっている。


エレベーター…とは言えないけど、例えるならそれしかない。



「か、か、階段が勝手に動いてる…っ。
どういうこと…?」



日下部くんがわなわなと後ずさる。


若松先輩も唖然としていた。


お兄ちゃんだけは表情をそのままに、私を背に隠す。



「おい、誰かおりてきたぞ」



呟いた若松先輩の視線をなぞる。



不規則に動く階段から姿を現したのは

2体のピエロだった。