私たちがいる場所は、多目的室を出てすぐの廊下。


多目的室は1階。


もう少し歩いて渡り廊下を進めば、体育館はすぐだ。


日下部くんの言うとおり、広いぶん可能性は高まるが、他のグループと鉢合わせてピエロの奪い合いになるかもしれない。


もしくは、もうすでにトモダチになられている場合も考えられる。


……奪い合い?



「そもそもピエロは1体につき何グループとトモダチになってくれるんでしょうか?」



ふと、疑問が浮かんだ。



「説明はなかったですが、上限がある場合も考えられますよね」


「なんだ?ピエロの争奪戦にでもなるって?」


「う…だってほら、またそういうイレギュラーがないとは言いきれませんし」


「お前の兄貴にでも訊いてみたらどうだ?ひとりだけピエロらしい格好してねぇくせに、マインドじゃいちばんアッチ側に近いからな」



若松先輩が、目の前のお兄ちゃんをクイと顎でさした。