「さて、どこへ行くか。
闇雲に探しても埒が明かんしな」


「た、体育館とかどうでしょう?広いですし、1体くらいならピエロもいるのでは…」


「そうだな、ここからも近い。だが他の連中も同じ考えで集まっている可能性がある」


「な、なら2階に上がって1年生のエリアから廻るのが無難ですかね…」



うしろを歩く若松先輩と日下部くんの黙々と話し合う声が聞こえてくる。


相性の悪いふたりだと思っていたが、そうでもないらしく安心した。


若松先輩は性格はキツイが意見を述べればきちんと聞いてくれるし、日下部くんも軽率なことを言うような人じゃない。


意見交換となれば差し支えないのだろう。