朝食を食べ終え、私は自分の部屋で読書をしていた。

そこに侍女が足早にやって来る。


「リーシア様!大変です!」


「どうしたの?」


「旦那様と奥様が王宮に呼び出されました。何か緊急事態のようで……」

「っ!すぐに私も向かうわ!」

「それが、リーシア様は来ないで欲しいと旦那様に伝言を頼まれていて……」

「どうして!?」

その時、執事長が私の部屋の扉をコンコンとノックした。


「お嬢様、ルイズ様が屋敷にいらして欲しい、と」


「今は忙しいから、断って頂戴」


「『絶対に来てほしい』、とのことです」


ルイズ様がそのようなことを仰ったことは今まで一度もない。