そうしてなんとか用紙に記入を終えた私は、その紙を受付の人に渡す。すると朱音ちゃんも書き終えたのか、こちらを見て興味津々に問いかけてきた。
「まふゆちゃんは誰に投票したの?」
「もちろん朱音ちゃんに決まってるじゃん!」
「もうっ! まふゆちゃんは相変わらずなんだからぁ」
私的には至極当然な答えなのだが、朱音ちゃんには困ったように笑われてしまった。
一瞬呆れられたかと思ったが、「わたしはまふゆちゃんに投票したんだよ」と可愛く教えられて、噴き出しそうになる鼻血をなんとか堪えた私を褒めてあげたいと思う。
そんなこんなで、私達はようやく会場へと足を踏み入れたのだが、
「――――!」
「わあっ! すごい……」
会場内はさすが皇族が元々使っていた場所とあって、煌びやかなシャンデリアに絢爛豪華な内装。それだけでも圧倒されるのだが、更に大勢の男女が楽しげに歓談するその様子は、まさに本場貴族の舞踏会もかくやである。
もちろん私は本物の舞踏会など見たことは無いが、もしここに制服を着た生徒達がいなければ、きっととんでもないところに来てしまったと、逃げ出していたところであろう。
「ん……?」
それにしてもジロジロと、何やら不躾な視線を多く感じる。まさか場違いだと目で警告されているのだろうか?
「違うよぉー! みんなまふゆちゃんに見惚れているんだよ。ほら男の子達、みーんな顔赤い」
しかし隣を歩く朱音ちゃんにそう言うと、何故かおかしそうに笑われてしまう。
それを言うなら〝朱音ちゃんに見惚れて〟が正しいだろうに。
