「次に書記、雨美水輝」
その間にも九条くんの話は続く。
呼ばれた雨美くんが、先ほどの夜鳥くんのように一歩前に出てお辞儀をする。
「彼には主に文化祭での対校内、対郊外問わず交渉事全般を担当してもらい、今日は受付も担当しております。このステージセットが豪華なのも、彼が様々な最新型の器材を揃えてきてくれたからこそです」
そこでまた九条くんは言葉を切り、雨美くんの方をチラリと見た。
「彼は柔和そうに見えて、実はかなり大胆なところがあります。ここだけの話ですが、最新型の器材を揃えるのに、相当な力業を使ったようで。敵には回したくないですが、味方としてはこれ以上なく頼もしく感じています」
九条くんの話に観客がどっと湧く。雨美くんも苦笑しながらもどこか嬉しそうに、柔和な笑みを見せた。しかし……、
「水輝くん可愛いぃー!!」
「あ゛!? おいそこ、今何つった!?」
観客から黄色い歓声が上がった瞬間、見事な豹変を見せて凄んでいた。
可愛い見た目に反してクールな雨美くんが、素直に嬉しそうな顔をするのは珍しい。これも後で揶揄うネタにしようと、ほくそ笑み……いや、雨美くんは怒らせたら後が怖いから、やめておこう。
「最後に副会長、雪守まふゆ」
「!」
そして遂に私の番である。
静かに一歩前に出てお辞儀をし、九条くんの言葉を待つ。ドキドキドキ。さながら最後の審判を待つ人類のようである。
だって打ち合わせの時に生徒会の紹介をするとは聞いていたけど、まさかこんな風に九条くん自身の言葉で、私達のことを語られるとは思ってもみなかったのだ。なんだか面映い反面、何を言われるのかと緊張もする。
「……!」
ふと九条くんの方を見れば、彼も私を見ていたようで、金の瞳とかち合ってドキリと心臓が跳ねた。
しかしすぐに九条くんが観客席に視線を戻したので、ホッとする。目が合ったまま自分のこと話されるのは、さすがに恥ずかしい。
