それにしても本当に来る客、来る客、男ばかりだ。まだ女の子だったら、忙しくても我慢出来るのに。女の子達は別のクラスの模擬店に行っているのだろうか?
……ところで、こうやって初めて接客を行ってみて分かったことがある。
それはもちろん――。
全ての接客業のみなさん、舐めててすみませんでした! マジで大変です!
そしてうちのクラスの女子のみなさん! とにかく早く戻って来てくださいっ!!
しかし私の心の叫びも虚しく、事態は一向に好転しないまま、時だけが過ぎていく。
「メイドさーん!」
「はいはい」
「メイドさーん!」
「はいはいはい」
ヤバい、さすがにもう過労死する。そう訴え、今並んでる客までで注文は打ち切ろうと男子達に提案したのだが、それじゃあ客が暴動を起こすからと、みな一様に震えながら言い募る。何故だ。
とはいえこの異常な客の入りよう。私一人で捌くのは限界だった。
とりあえず数名の男子に助っ人としてホールに入ってもらい、なんとか客を捌くことにする。
「メイドさーん!」
「はいはいはいはい!!」
ああもう! とにかくこのままこれ以上のトラブルが起きること無く、午後の交代までもってくれ……!!
――まさに私がそう願った時だった。
「はあ!? なんで男なんだよ!?」
ガーンッ! と椅子を蹴飛ばす大きな音がしたかと思うと、何やら大柄な客のグループと助っ人に入ってもらった男子がもみ合っているではないか!
客達の放つ気配で妖怪であることは一目瞭然。それに対して、もみ合っている男子は人間だ。殴られでもしたら大怪我じゃ済まない。
うがあああ! 願ってるそばから、トラブル起こさないでくれ~!!
内心泣きそうになりながら、私は仲裁に走る。
