雪女ですがクラスのイケメン妖狐の癒し係になりました



 ◇


「チョコバナナとイチゴ生クリームでーす」

「おおー!」

「美味しそう!」


 雨美くんと別れた足で模擬店に向かい、それぞれ注文したクレープを受け取った私達は、側にあった休憩用の長椅子に腰掛ける。そうして早速クレープにパクつけば、バナナとチョコが絶妙なハーモニーを口の中で奏でた。


「うん、甘うま」

「ね、美味しいね。あ、そういえば……」

「うん?」


 横でイチゴ生クリームをリスみたいにモゴモゴ頬張っていた(可愛い)朱音ちゃんが、何かを思い出したかように声を上げた。


「まふゆちゃんのクラスの喫茶店にはまだ行ってなかったね。顔は出さなくていいの?」

「あー、んー。生徒会優先だから、当日はほとんど手伝えないことは前から言ってあったしね……」


 それに衣装の一件もあって、なんとなく行き難いんだよなぁ……。

 しかもうちのクラスの喫茶店はただの喫茶店ではなく、〝執事あんどメイド喫茶〟なのだ。色モノというか、少々いかがわしい感じだし、そんなところに朱音ちゃんを連れて行くのはちょっと気が引ける。


「あ」

「ん?」


 そうやってぐだぐだと悩んでいると、いつの間にか朱音ちゃんがある一点を凝視していることに気づく。


「……?」


 つられて私もそちらを見れば、そこにいたのは……。


「あれってもしかして生徒会の?」

「うん……」


 私達の視線の先では鳥マスクを着けた怪しげな男が、ちょうど店員からクレープを受け取っているところであった。一見誰なのか分からないが、しかしマスクからはお馴染みのツンツンした黄色い髪の毛がはみ出している。


「はぁ……」


 それに私は溜息をついて、足音を立てずに鳥マスク男へとそっと近づく。そしてそのまま勢いよくマスクを剥ぎ取ってやった。