雪女ですがクラスのイケメン妖狐の癒し係になりました



「よし、まふゆは物は好まないのだな。では引っ越しの手伝いをしよう! ここにあるものをそこの段ボール箱に詰めればよいのだな」

「え、あ、陛下……!?」


 私が静止するのも構わず、嬉々として私の私物を段ボールに詰めていく陛下。
 そこには皇帝としての威厳もへったくれも無い。


『ずっと会えなかった娘を存分に甘やかしたいのよ。窮屈だろうけど、少し付き合ってやって』


 あまりの甘さに困惑し、思わずお母さんに相談した時に言われた言葉。
 今までの時間を取り戻したい陛下の気持ちは分かる。

 でも、まだ私の気持ちはそこまで追いついていないのだ。

 だって、陛下は……。


「陛下はどうしてお母さんと結婚したの?」

「――え?」


 これは宰相さんの話を聞いてからずっと気になっていたこと。


「聞いたよ、陛下には婚約者が居たって。なのにどうしてその人じゃなくお母さんを? 婚約者の人は悲しまなかったの?」


 九条くんの婚約者の有無でハラハラした者として、素直に陛下をお父さんだと喜べない気持ち。
 それは彼にお母さん以外の別の女性の影を感じるからだろう。


「は……」


 しかし真剣に問う私に対し、


「ははははははっ!!!」


 何故か陛下は大笑いし出した。
 それに分かりやすくムッとすると、「すまんすまん」と陛下が言う。


「確かに私には定められた婚約者が居た。だがアイツが悲しむなんて有り得ない! なにせアイツは長年の想い人であった、正宗(まさむね)の息子とめでたく結婚したのだからな!」

「へ……?」


 長年の想い人? 宰相さんの息子さん?

 え、じゃあ……。