「…………」
「九条くん、どうしたの?」
唐突に黙り込んでしまったことに不安を覚えたのか、まふゆが俺の服を少し引く。
それに余計な心配はさせたくないので、俺は笑って首を横に振った。
「いや、なんでもない。それより次は何に乗りたい?」
「ん? うーん……。あっ、じゃあ、あれ!」
まふゆが指差したのは、グルグルと座席が回転しながら猛スピードでレールを走る乗り物。これも〝ジェットコースター〟とやらの一種らしい。
よほどさっきの乗り物が気に入ったのだろう。
まふゆの目はキラキラと輝いている。
「いいね、乗ろうか」
「うんっ! 早く行こっ!」
「っ、」
まふゆが上機嫌で、ぎゅっと俺の腕に抱き着いてきた。体を密着させ、俺を見上げるその姿はとても可愛い。
……だからきっと、腕に押し当てられている柔らかいものについては指摘しない方がいいのだろう。
だって下手に口に出して、離れられてしまっては勿体ないじゃないか。
結局絡められた腕をそのままに、俺達は次なる目当ての乗り物へと向かったのだった。
