雪女ですがクラスのイケメン妖狐の癒し係になりました



「まふゆちゃーん! おはよう! 朝早くから生徒会のお仕事、お疲れさまー!」

「はよ」

「わーおはよー! 朱音ちゃん、カイリちゃん!」


 仲良く並んで登校してきた二人を見て、私はニコニコと笑う。
 朱音ちゃんは寒さにも負けず元気いっぱいだが、カイリちゃんはまだまだ眠そうだ。


「二人こそまだ始業まで随分早いけど、もしかして演劇部の朝練?」

「うん、部長さんが新しい脚本を書いてね。張り切ってるの」

「……あ、噂をすれば」

「え」


 カイリちゃんが遠くを見て呟き、その視線の先を辿れば、ひときわ人目を引く大柄な人物が目に入った。


「んふふ。おはよう、副会長さぁん。みんな揃って、朝から賑やかねぇ」

「キキッ」

「部長さん! モン吉も一緒なんですね」


 現れたのは、ハコハナ旅行でもお世話になった、演劇部の六骸(ろくがい)部長だ。

 モン吉とは部長さんのペットで、つぶらな瞳が可愛いお猿さんのことである。
 部長さんの大きな肩にちょこんと掴まっている姿はとても愛らしく、見る者を癒す。

 ……が、


「キキッ!! ウキキキッ!!」

「うわっ!? てめぇっ! またやんのか!?」

「あらあら! ごめんなさいねぇ、会計さん。この子ったら、ちょーっとヤンチャだから……」


 相変わらず夜鳥くんを仲間と思っているのか、それとも単に気に食わないのか、モン吉は夜鳥くんに飛び掛かって、また大ゲンカ(?)している。


「だーめーよー、モン吉」

「キキッ! キキキ!」


 ジタバタとしているモン吉を摘まみ上げて、部長さんはふぅと溜息をついた。


「全く、可愛いけど困った子なんだから。騒がせちゃって本当にごめんなさいねぇ。それじゃあアタシ達は朝練があるから急ぎましょうか」

「はぁーい。ふぁ、ねむ……」

「はい。あ、まふゆちゃん。今度こそ観客として、舞台観に来てね!」

「あらん? アタシはまた副会長さんが主演でも、構わないわよ」

「あはは、それはもうご勘弁を」


 苦笑しつつも三人と一匹を見送る。


「ふぅ……」


 なんだかんだと、つい話し込んでしまった。あいさつ運動に戻らねば。
 そう思って登校する生徒達に視線を戻すと、そこで目の合った何人かにサッと視線を外された。