『けれど俺も彼女も生徒会という立場上、校内ではよく知られています。このまま隠していても、いずれ噂になって真実を知られるのは時間の問題。ならば自分の口から言った方がいいと判断しました。……俺は付き合うと決めた時、もうこれ以上彼女に俺のことで哀しい顔はさせないと、そう覚悟していましたから』
『わ、私もっ! 私も九条くんと付き合うって決めたのは、生半可な覚悟じゃありません! ずっと一緒にいるって、絶対に九条くんを幸せにするって、そう決めたからなんです! だから、こんな風に騒がせてごめんなさい! でも図々しいですけどどうか、見守っていてくださいっ!!』
いつまでも共にありたい。
そんな気持ちをお互いみんなの前で言い合ったのだ。これを誓いと言わずして、なんと言うのだろう?
しかしそう胸を張る私とは裏腹に、陛下は渋面を作った。
「それは確かに誓い……なのか? いやしかし、ううむ……」
なかなか同意してくれない陛下。動かすにはもう一押しが必要なのかも知れない。
そう考えていると、葛の葉さんの前から立ち上がったお母さんが、陛下の羽織を引いて言った。
「――ねぇ、國光。わたしからもお願い。まふゆに全能術を授けてあげて」
「風花?」
それに陛下が戸惑ったように声を上げる。
「しかし風花、全能術は……」
「分かってる。全能術には〝代償がある〟……でしょ? そしてそれだけ賭しても、上手くいかない可能性があるってことも知ってる。けど結果はやってみなきゃ分からない。まふゆにはそれを試す力があるの。紫蘭の時とは違う。九条くんを救う道が僅かでもあるのなら、やる価値はあるわ」
「…………、そう、だな……」
長い長い沈黙の後、ようやくお母さんの言葉に頷いて、陛下は私を見た。
「……まふゆ。今風花が言った通り、全能術の行使には〝代償〟がある。術の可否に関わらず、もう二度と皇族の秘術は使えなくなるのだ」
「秘術が?」
「更に言えばそなたの場合、最悪雪女としての妖力すらも失う可能性がある。葛の葉を見ても分かる通り、妖怪にとって力を失うというのは様々が弊害がある。……それでも、やるのか?」
陛下の話にみんなの顔色が一様に悪くなる。
妖怪にとって妖力を失うというのは、やはり自分を失うに等しいくらい恐ろしいものなのだろう。
でも……、
