「へ……?」


 宰相さんがと三日月さん以外にもう一人(・・・・)……?


「な、何?」

「そんな者、一体どこに?」


 予想外の言葉にざわつく私と暗部達。
 それを面白そうに眺めながら、宰相さんがピュっと指笛を吹いた。

 するとその瞬間……。


 ――バァァァァァァン!!!


「ぎゃあああ!!?」


 凄まじい勢いで部屋を封じていた鉄扉が吹っ飛び、私は叫んだ。


「ぐぅ!!」

「うう……」

「ひぇっ!?」


 吹っ飛んだ鉄扉は見事暗部達にヒットしたようで、一気に彼女達はなぎ倒されてしまった。
 狐面でその表情は見えないが、苦痛に歪むうめき声を聞いているだけでも痛そうだ。敵ながらなんと気の毒な……。


「さぁ暗部のみなさん!! この()が来たからには、ここまでですよぉぉぉ!!!」

「!?」


 私が暗部達に同情していると、突然ランプの灯りだけの薄暗かった室内に一筋の光が差す。
 すると逆光ではあるが、見覚えのある三人(・・)のシルエットが扉の前に見えた。


「えっ、うそ……!?」


 ま、まさか夢……? 一瞬そう思うが、けれど夢なんかじゃない。


「雪守さぁん!! 正宗(まさむね)様ぁ!! ご無事ですかぁ!!?」

「まふゆちゃーーん!! よかったぁぁぁ!!」

「おー、ちゃんとまふゆ達を避けて命中。ぶっつけだったけど、なかなか上手くなったじゃん。あたしの妖力捌きも(・・・・・)

「ええええっ!!?」


 現れたのはなんと、木綿先生に朱音ちゃんにカイリちゃん!!
 な、なんで三人がここに……!?