雪女ですがクラスのイケメン妖狐の癒し係になりました



 ◇


「ちょっ……! ちょっと待ってください! 宰相さんっ!!」


 出だしからあまりの情報過多に、私は慌てて宰相さんの話に待ったをかける。
 すると彼は不思議そうにしながらも、話を止めて私を見た。


「……何か?」

「い、いえ! 今いくつか聞き捨てならないことが……! お母さんが雪女一族の次期当主!? しかも紫蘭さんとあのトンデモ当主……じゃなくて、九条葛の葉が婚約者同士って……!!?」


 矢継ぎ早に問うと、宰相さんが「ああ」と声を上げる。


「失礼、これもご存じありませんでしたか。風花殿は雪女一族当主の娘です。帝都の高校にわざわざ通われていた理由は、閉鎖的な一族の未来を(うれ)いて見識を広める為だったそうですよ」

「じ、じゃあ、今雪女一族はどうなって……?」

「今は風花殿の妹君が当主をされているようですな。現状は遠方なことと、やはり閉鎖的な一族ですので、皇宮でもあまり把握しきれてはおりませんが」

「妹……」


 お母さんに妹が居たなんて知らなかった。
 しかも次期当主なんて立場だったのなら、お母さんが居ない22年間、さぞその妹さんは大変だったに違いない。

 お母さんだってそんなことは分かっているだろうに、どうして――。


「頭で分かっていても、どうしても譲れないものもある……ということでしょう。陛下と風花殿は茨の道であると分かっていても、その道を選びました」

「え……?」

「陛下には当時、幼少より定められた婚約者がおりました。また皇族は人間としか婚姻を結んではならないという、しきたりもあります。二人が結ばれるにはいくつもの壁があった。けれど乗り越えて今がある」

「ちょっ……!! ちょ、ちょ、ちょっ!! 待ってください、宰相さんっ!!」


 またも聞き捨てならない言葉に待ったをかけると、宰相さんは先ほどよりも少し不機嫌そうにしながらも、話を止めて私を見た。