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「おーい、みなさーん!」
「お疲れさまぁぁん!」
「あれ?」
トラックに着けば、既に鬼ごっこをする為であろうセットが組まれており、何故かその入り口に朱音ちゃんと六骸部長が居た。
特に朱音ちゃんは、さっき観客席で別れたと思ったけど、いつの間に……。
「さぁさぁ、見てちょうだい! 鬼ごっこ用のセットなら、完璧に仕上がってるわよぉーー!」
「え! もしかしてこの帝都の街並み、部長さん達が作ったんですか!?」
私はビックリして、目の前の建物の数々を見上げた。
日ノ本高校に皇宮……。現実よりも随分と縮小されてはいるが、どこからどう見ても見慣れた帝都の街並みが完全に再現されて目の前に広がっている。
まさかこんなスゴイところで鬼ごっこなんて……。
思わずポカンとしていると、朱音ちゃんがにっこりと笑って頷いた。
「ふふふ。体育委員の人達に頼まれてね。先月からコツコツ作ってたの。生徒会主催だって言うし、部長さんも資金は好きなだけ使っていいって言うから、張り切っちゃった!」
「朱音ちゃん……」
さらっと出たブルジョアな発言が少し気になるが、先月は舞台もあって大変な時期だったのに、私達の為に動いてくれていたんだ……。
感動でまた胸がジンと熱くなっていると、そこでちょうどアナウンスが流れた。
「セットの準備が完了しましたので、早速競技に移ります。鬼役の生徒会のみなさんは、配置についてください」
「始まるね」
「うん、本当にありがとう。朱音ちゃん、部長さんも!」
「いいのよぉ、会長さん副会長さんカップルのお祝いのようなものだと思って!」
「じゃあわたし達は観客席から見てるね。頑張ってね、まふゆちゃん!」
観客席に戻って行く二人に手を振ると、またもアナウンスが流れる。
「それでは選手のみなさんも入場してください」
こうしていよいよ生徒会主催の鬼ごっこが始まったのだが――……。
