「風花さん、誰とでもすぐに打ち解けて、やっぱりスゴイ人だねぇ」
「なんか朝は皇帝陛下と一緒に居たんだろ?」
「うん。ど緊張して貴賓室に入ったら、私を見るなり陽気に手を振られて一気に脱力したよ。あ、そういえばこれ、その時に陛下から貰ったお菓子。みんなで食べなさいって」
言いながら陛下から貰った〝フロなんとか〟を取り出すと、突然雨美くんと夜鳥くんの目の色が変わり、お菓子の包みを引っ掴んで叫んだ。
「ああっ!? これ皇族への献上品で、オレらでも手に入らねぇヤツじゃねーか!!」
「ホントだ!! うわっ、めちゃくちゃ美味しい!!」
早速包みを開けて、お菓子を堪能する二人。
私達渾身のお弁当よりも嬉しそうに見えるのは、気のせいだろうか……?
「ん? そういやこういう時、一番騒ぎそうな木綿が居ねぇな? どこ行った?」
夜鳥くんがもごもごと口を動かしながら、辺りを見回す。
それに私も首を捻った。
「あれ? そういえばまだ戻って来てないね。学校長に連れて行かれたの、結構前だったのに……」
「学校長のお説教が長いんじゃない? あの人話し出すと止まらないから」
「あーそれな。ホント前の全校集会の時はマジで最悪だった」
「前の?」
はて、いつのことだろうか? いつの全校集会でも学校長の話は長いからピンとこない。
すると雨美くんが「ほら」と私に言った。
「あの賭けが問題になった時のヤツだよ。学校長、おんなじ話を何回も繰り返し喋ってたでしょ?」
「ああー……」
そういえばあったっけ、そんなことも。確か夏休み前の頃だったような。
私と九条くんの成績が賭けの対象にされていて、それで私は九条くんに負けたくなくて完徹で勉強していたのだ。
でもそれが原因で翌日の全校集会で倒れてしまって、気がついたら夕方まで保健室で寝ていて……。
