「……ごめん、ずっと黙ってて。本当はもっと早いタイミングでまふゆには伝えないとと思ってたんだけど……。なんだか言えなかった」
「…………そ、か」
その言葉になんと返せばいいのか分からず、私は曖昧に頷く。
すると九条くんから、ふっと微かに笑ったような気配がした。
「引いた? まだ17だっていうのに、もう俺には僅かな寿命しか残されていないなんて」
「……っ、そんな訳ないでしょ!!」
おどけたように言う九条くんに思わずカッとなって言い返してしまい、瞬間私はハッと口元を手で覆う。
「……ごめん」
「ううん。俺の方こそ、ふざけたこと言ってごめん。なんかこういう時、どういう反応していいのか分かんなくて……」
「……っ、」
困ったように笑う九条くんに、胸がぎゅっと苦しくなる。
そんな風に無理して笑ってほしくないのに。
私の前では隠さずに本音を曝け出してほしいのに。
どうして上手くいかないんだろう……。
「私こそ怒鳴ってごめんね。本当はもっと、九条くんにそんな顔させないような上手な言い方もあったはずなのに。私、九条くんの前だと、いつもダメな私になっちゃう……」
高ぶる感情のまま、ポロポロと私の頬を涙がつたう。
「あ……」
それに慌てて目元を拭おうとするとするが、しかし伸びてきた九条くんの手にそっと制されてしまい、私は濡れた瞳のまま、その美しい金色の瞳と視線を合わせた。
