「時間ごとにここの温泉は男女で入れ替わるらしいんだ。入り口の札が付け替えられていたの、気づかなかった?」
「あ……」
そういえば24時間入れること以外にも、昼間朱音ちゃんはこうも言っていたっけ?
『男女が時間ごとに入れ替わるから、いつ入っても違う雰囲気が楽しめるんだって!』
「~~~~っ!!?」
彼女の言葉をハッキリと思い出した瞬間、今度こそ私の頭は爆発した。もちろん羞恥で。
バカじゃないの、私っ!! ボーっとしてて、札なんて全然見てなかった!!
これじゃあ夜鳥くんなのは、私の方じゃん!!!
「ごっ、ごめんっ!! すぐ出てくからっ!!」
「あ、まふゆっ!?」
「ぎゃあっ!?」
濡れるのも構わず、慌てて湯船の側に置いておいたバスタオルを体に巻きつけて温泉を出る。
しかしその拍子に足を滑らせてしまい、私の体がぐらりと傾いた。
「っ!!」
「大丈夫かい!? まふゆ!!」
「あ……」
ゆっくりと目を開ければ、息遣いまで感じるほどに近くにある九条くんの綺麗な顔。どうやら倒れる前に助けられたらしい。
「……っ!!?」
ちょーーっ!!? ていうか、九条くんの素肌が私の体に密着しちゃってるんですが!?
助けてもらったんだから、当然ちゃっ当然だけど、さすがに恥ずかし過ぎるっ!!
「あああ、ありがとう!! ごめっ、本当にすぐ出るから……くしゅっ!!」
ぎゃあ、今度は思いっきりくしゃみをしてしまった!
更に恥ずかしさで居た堪れなくなっていると、不意に九条くんが私の肩を湯船へと押した。
