雪女ですがクラスのイケメン妖狐の癒し係になりました



「――ということで(・・・・・・)副会長さん、来週末の予定は空いてるかしら?」

「来週末? はい、大丈夫ですけど……」


〝ということで〟って何? そう思いながらも素直に頷くと、部長さんはパァっと顔を輝かせた。


「よかったわぁん!! ならこれで全員(・・)の予定は合ったわね! 副会長さんっ、旅行の準備をしといてね! あ、日程は一泊二日よっ!!」

「へっ!?」

舞台のお礼(・・・・・)、弾むって言ったでしょ?」

「え、あ……」


 そういえば確かにそんな風なことを言っていたような……?
 でも全員で旅行?? その全員(・・)って、一体誰の事!?


「ま、待ってくださいっ! いきなり旅行って……、一体どこに行く気なんですか!?」

「うふふ、それはねぇ……」


 私の問いに部長さんがそっと自身の唇に人差し指をあてて、蠱惑的に微笑んで告げる。


「もちろん、帝都民癒しの地――〝ハコハナ温泉郷〟よ」


 ◇


 ……そんなやり取りを経て、帝都から方舟に乗ってあっという間にハコハナへと到着したのがつい先ほど。
 そこからは今日泊るホテルからの迎えだという黒塗りの高級車に乗って揺られること数分。

 日頃の疲れからか、車内では終始うつらうつらしていた私。
 しかし目的の建物に到着した瞬間、私の目は冴え過ぎるくらい冴え、足はガクガクと震え上がった。


「こ、ここが、今日泊まるホテル……?」

「すご……、高過ぎて上が見えないんだけど……」

「ひゃー……」


 私とカイリちゃんと朱音ちゃんが目を点にして、目の前にそびえる大きな建物を見つめる。

 先ほどの展望台よりも高台に建つ、一見西洋の白亜のお城にしか見えないこのホテル。
 その高級感溢れる外観は、おおよそ庶民が泊まるようなランクのホテルではないことだけは理解出来た。