「六骸部長っ!!」
「すみません、お待たせしました!!」
「部長さぁん!!」
あれからすっかり元気を取り戻した九条くんは、私や朱音ちゃんと共に舞台袖へと戻った。
するとそれを見た部長さんが、ホッとした表情で出迎えてくれた。
「会長さん、副会長さん! それに朱音も! よかったわぁ! 戻って来てくれて本当によかったわぁ!!」
「すみません、六骸部長。俺のせいで大変な迷惑を掛けてしまいました」
「いいのよぉ! こうして無事に戻って来てくれたんだから! もうカイリの歌や部員の演技、書記さんや会計さんのトークや木綿先生の腹踊りまでやり尽くして、場を繋ぐのも限界だったのよぉ!」
「……って、トークはまだしも、本当に腹踊りをやったんですか!?」
私がギョッとして叫んだその時、ちょうど舞台からカイリちゃんと雨美くんに夜鳥くん、そして一反木綿姿となった木綿先生がぞろぞろと舞台袖へと戻って来る。
皆一様に疲れた表情をしているが、私達を見た瞬間に息を吹き返したように明るい表情を浮かべた。
「あっ! 雪守達に九条様!」
「よかったぁ! みんな戻って来てたんだ!」
「うわぁぁぁぁん!! 雪守さぁん、聞いてくださいよぉぉ! 魚住さんってば、酷いんですよ!! 僕の自慢の真っ白で美しい体に落書きして、あまつさえ腹踊りまで強要してぇーー!!」
私の目の前でよよよと泣き崩れる木綿先生のお腹……もとい白い布には、確かに〝へのへのもへじ〟と人の顔のような落書きが黒いマジックでされている。
「えと……」
そのなんとも間抜けな姿になんと言っていいか分からず困惑していると、先生に名指しされたカイリちゃんが心外とばかりに鼻を鳴らした。