雪女ですがクラスのイケメン妖狐の癒し係になりました



「? どうしたの? カイリちゃん」

「食べないの? 美味しいよ?」

「いや、食べるけど。けどアンタら、いつもこんなカロリー爆弾みたいなもん食ってんのに、なんで太んないのかなぁーと」

「え」


 私と朱音ちゃんは互いにキョトンと顔を見合わせる。
 確かに私はともかく、朱音ちゃんは華奢(きゃしゃ)で細身だ。わりとよく食べるのに、そんなところもまた可愛い。


「ん? ……いや、まふゆの場合、そっち(・・・)に栄養がいってんのか」

「?? 〝そっち〟……?」


 何か合点がいったように、一点を見つめて頷くカイリちゃん。なんだか嫌な予感する。

 その視線をそろそろと辿れば、やはり案の定、彼女が見ていたのは私の顔の下で――……。


「べっ、別にこれはスイーツ関係ないからっ!!」


 ていうかこのパターン、ティダから通算3回目なんですけど!? 

 慌てて両腕で胸を隠して叫ぶと、それに反応したのはカイリちゃんではなく、何故か朱音ちゃんだった。


「ええっ!? そうなの!? じゃあどうしたらそんなに大きくなるのか、わたしに教えてよ!!」

「あ、朱音ちゃんんん!!?」

「ふぅん? 食事じゃないってことは、風花(かざはな)さんを見るにやっぱり遺伝か……?」

「うわあああん!! だったらわたしは絶望的だよーー!! お母さんだって、まっ平らなのにぃーー!!」

「ヤ、ヤメよう、こんな話! 別の話! 別の話にしよう!!」


 泣き崩れる朱音ちゃんに、慌てて会話を強制終了させる。
 さすがにこの場に居ない朱音ちゃんのお母さんにまで被弾するのはマズいだろう。


「はぁ……」


 なんか練習よりどっと疲れた。

 舞台本番まで残すところ、あと一週間。
 英気を養う目的で開いた女子会なのに、どうしてこうなった?


「ねぇ、まふゆちゃーん」

「なぁ、まふゆー」

「…………」


 まだ視線を私の胸に向けたまま、何か言ってる二人に聞こえないフリをして、私は残りのパフェを一気に口に入れた。