『ありがとう、まふゆ。アンタのお陰で、やっとあたしも前に踏み出せそうだ』
あまりにも不器用な、けれど何処までも真っ直ぐな彼女の想い。
それを理解し、ついに私達は友達になったのだ。
「カイリちゃん、今頃何してるかなぁ? お母さんのかき氷屋さんでバイト中かな?」
「ちげーねぇ。なにせあのギャル人魚、親父さんの為に一刻も早く船買う資金貯めるって、かなり張り切ってたからな!」
「そうだねぇ」
――ガラッ!!
と、ちょうど夜鳥くんが笑って言ったのと同じタイミングで、生徒会室の扉が開いた。
それにみんなの視線が一斉に扉へと向く。
するとそこに居たのは……、
「だーかーらぁー。〝ギャル人魚〟って言うなって、あたしは何度も言ってんだろ? 鵺」
「え」
「は」
「あ?」
不機嫌そうに言いながら、つかつかと生徒会室に入って来る人物。
水色のショートヘアをサラリと靡かせ、左右の耳には揺れる大きなピアスを着けている。
見間違えようが無い、彼女は……。
「え、え……」
パクパクと口を動かす私を見て、少しハスキーな声をもつ、背の高い綺麗な女の子はフッと笑った。
「よう、まふゆ。相変わらずアンタら騒がしいね」
「えええーーっ!!? カ、カイリちゃんっ!!?」
――そう、
ティダに居るはずのカイリちゃんが、何故かうちの高校の制服を着て、生徒会室に現れたのだ。
