「うま……いな」
「でしょでしょー!? 無料で食べさせてもらうのが、申し訳ないくらいだよね!」
「ねーっ! こんな美味しいものわたし達だけで食べちゃって、神琴様達にちょっと悪いかも」
その言葉で、そういえばいつもこいつらとくっついている、男共がいないことに気づく。
「そういや銀髪達は連れて来なかったのか? あの鵺なんて、こーゆーのめちゃくちゃ喜びそうだけど」
花火大会の日に屋台の食べ物にひたすら練乳をかけていた、バカ舌の黄色いツンツン頭の男を思い出して言うと、まふゆが苦笑した。
「あはは。確かに夜鳥くんは絶対好きだろうけど、今日は女の子だけで遊んで来なさいってお母さんが」
「みんながいるとつい気を遣って、ゆっくり買い物出来なかったもんね」
「そうそう。男子ってなんであんなに、買い物がせっかちなんだろうね?」
「ふぅん」
確かに父さんと買い物に行っても、目当てのものを買ったらすぐに帰りたがり、いわゆるウインドウショッピングなんて出来ない雰囲気だ。
風花さんはそんな二人の気持ちも汲んで、無料券を渡したということだろうか?
「買い物って、土産か? そういやアンタら、明日帝都に帰るんだっけ?」
「うん、なんだかんだであっという間だったぁ! カイリちゃん、明日見送りに来てね!」
「は? ヤダよ、面倒くさい」
「ええーーっ!?」
つんとそっぽを向いて言うと、まふゆは大袈裟にリアクションした。
黙ってりゃ風花さんそっくりの超美人の癖に、そのくるくる変わる表情がこの女を一見すると、〝普通の女の子〟に見せている。
これじゃああの銀髪、大変だろうなぁと勝手に同情した。
「別にわざわざあたしが見送りに行かなくっても、いいだろ? アンタはせいぜい銀髪と末永くイチャついてなよ」
「なっ!? なんで今そんな話に!? ていうか何度も言うけど、私と九条くんはそんなんじゃ……っ!!」
真っ赤な顔してりゃ、否定したって意味ないだろと思うが。
……つーかマジであの銀髪と付き合ってないの? マジで?
そんな気持ちを込めてまふゆの隣のピンク髪を見れば、朱音は困ったように頷いた。
なるほど、アンタも大変だね。こんな無自覚バカップルが近くにいて。
「もう! 私のことはいいよ! そう言うカイリちゃんはどうなの!?」
「は?」
どうってまさか、恋愛のこと聞いてる??
