雪女ですがクラスのイケメン妖狐の癒し係になりました



『雪守さんって本当に血が流れてるの!?』

『横暴だわ!!』


 コスプレ喫茶を却下した時、かなり(主に女子たちに)ブーイングを受けたが、その時の「ああ、神琴さまに軍服を着て(ののし)って頂きたかった!」や、「いっそ妖狐姿で私を燃やして頂きたい!」といった言葉は聞かなかったことにしたい。
 ていうかこれ決まった当時は九条くんはまだ保健室の住人で、文化祭に参加するかも不確かだったのに、ものすごい熱量である。


「雪守ちゃんのメイド姿見てみたかったのになぁ~」

「いやいや」

 
 うーん……でも私のメイド姿はともかく、九条くん、雨美くん、夜鳥くんと、それぞれ系統は異なるが、いずれも煌びやかな顔立ちが揃った生徒会である。先ほどの女子達ではないが、確かに生徒会の仕事で接客する機会がないのは、実に惜しいとも言えた。
 まぁ九条くんについては、機会が無くて正解かも知れないけどね。女子の熱狂が桁違いだろうし、そもそもこの人の場合どう考えても執事というよりご主人様だろう。


「ふはっ! 水輝も執事っつーより、メイドの方が似合いそうだよな」


 と、そこでピシッと姿勢を正したままだった夜鳥くんが、とんでもないことを言い放った。


「――――」


 瞬間、場の空気が凍りつき、これに慌てたのが私である。


「や、ややや夜鳥くんっ!!」

「あん?」


〝早く謝って!!〟そう言いかけたのだが、しかしその前にドッ!! と、恐ろしいまでの妖力の迸りを感じ、とんでもない轟音(ごうおん)が響き渡った。


「~~~~っ!!」


 それに耳を塞いでやり過ごし、恐る恐る音の先を見れば、壁にめり込んでずぶ濡れの夜鳥くんが見える。あわわ。