雪女ですがクラスのイケメン妖狐の癒し係になりました



「――夜鳥、じゃあこうしよう」


 悩んでいると、九条くんが声を上げ、みんなが一斉に九条くんへと注目する。


「臨時メンバーへの指示、統率は俺と雪守さんで受け持つ。その際に使用する部屋は生徒会室でなく、空き教室を利用しよう。夜鳥には引き続き、生徒会室で予算の管理を任せる」

「え……」

「それならば君は他の生徒と接触することは無いし、自分の仕事に集中できるだろう? ……それでいいね?」

「は、はいっ! それなら確かにオレには願ってもないことです! ありがとうございます、九条様!!」


 有無を言わさぬ威圧的な金の双眸に、夜鳥くんは姿勢をピシッと正して答える。


「…………」


 なんと……機嫌を損ねるとしばらく何を言っても聞き入れない、あの夜鳥くんを一瞬にして丸め込んだだと……? 

 図らずも貴族社会の縮図の一端を垣間見た気もしたが、思ったより早く話がまとまって何よりだ。やっぱり九条くんが居てくれた方が、場が引き締まっていいのかも知れない。


「空き教室の使用については、僕が職員会議の時に先生方に伝えておきますね」


 木綿先生も九条くんの生徒会長っぷりが嬉しいのか、ニコニコとしている。
 私も早速後で臨時メンバー募集のお知らせを作成するとして、さて次の議題は――。


「そういえばさぁ、雪守ちゃん。うちのクラスの出し物って、〝執事あんどメイド喫茶〟だっけ? もしかしてボクたちもコスプレするの?」


 そこで急にふと思いついたように雨美くんが聞いてくるので、私はこくんと頷いた。


「あー、うん。一応人数分衣装は用意するつもり。けど私達の場合、当日は生徒会の仕事優先だし、多分衣装着て接客する機会は無いと思うけどね」

「そっかぁ、残念」


 私たちのクラスの出し物は、口に出すのも恥ずかしいが〝執事あんどメイド喫茶〟である。
 最初はコスプレ喫茶などと、更にトチ狂った案が飛び交っていたので、なんとか力業で執事やメイドといったまだ一般的そうなものに、私が落ち着かせた経緯があった……。