雪女ですがクラスのイケメン妖狐の癒し係になりました



 瞬間、カイリちゃんを中心として強烈な妖力が爆発するように発現し、ドスンッ!! と鈍い音と共に雨美くんが私達の側まで吹き飛ばされて、地面に強く打ち付けた。

 慌てて私達は雨美くんに駆け寄る。


「〜〜〜〜っ、痛たた……」

「雨美くんっ!!」

「おい、水輝!! 大丈夫かよ!?」


 体を打ち付けた衝撃で、人間の姿に戻った雨美くんを夜鳥くんが抱き起こす。
 見たところ外傷は見当たらないが、頭を打ったかも知れない。


「怪我は!?」

「大丈夫、妖怪は人間と違ってこれくらい平気さ。それよりあの子は――」

「ああっ!! カイリ!!」

「!?」


 雨美くんが立ちあがるのを手伝っていると、魚住さんの悲鳴のような声を上げる。

 そうだ、カイリちゃんはまだ海に……! 助けなきゃ……っ!


「カイリちゃんっ!!」


 海に投げ出されたカイリちゃんはあのザンの森で見た人魚へと姿を変えていた。

 しかしやはり魚住さんが言っていた通り泳げないのか、カイリちゃんはバシャバシャと必死に水色のヒレを動かしているが、その体はどんどん海へと沈んでいく。


「ど、どうしよう!? このままじゃ……!!」

「待って雪守ちゃん! ボクがもう一度変化して……」

「カイリちゃんっ!! 今行くから!!」


 雨美くんが何事か叫んでいるが、構わず私はカイリちゃんに向かって走り出す。


「待つんだ、まふゆ!!」

「まふゆちゃんっ!!」


 みんなの静止する声が後ろから聞こえたが、気にしてられない。
 濡れてまとわりつく邪魔な雨具を脱ぎ捨てて、私は急いで荒海へと飛び込んだ。


「カイリちゃん!!」

「!? アンタ……なんで……」

「いいからっ!! 早く手をっ!!」


 打ちつける豪雨の中、必死に泳ぎ着いて叫ぶと、カイリちゃんがビクリと肩を震わせて、私に手を伸ばす。
 私はその手をなんとか掴み、ひとまずホッと息を吐いた。