「みんな起きてたの!?」
「そりゃ外は雨風でうるせぇ上に、玄関先からこんだけ騒がしい声がすりゃ、誰だって何かあったのかと思って飛び起きんだろ」
「わたしも。まふゆちゃんが隣にいなくて、ビックリしたんだから!」
「だが夜鳥。雨美の出番とは、何か策があるのか?」
不思議そうに雨美くんを見つめる九条くんに、夜鳥くんがふふんと笑った。
「全員水輝が〝蛟〟ってこと、すっかり忘れてんだろ? 蛟っつーのは、泳ぎの名手だ。その力はどんな荒海だろうが関係ない。つまり――」
「つまり、雨美くんが海を泳いでカイリを探す……という訳ね?」
お母さんの言葉に雨美くんが頷く。
「ま、そんな上手くいくかは分からないけどね。さっきの雪守ちゃんの話だと、彼女は人魚の半妖なんでしょ? だったら妖力で気配を辿ることは出来ないし」
「そうだよ、それそれ! 雪守お前、いつアイツが人魚の半妖だって知ったんだよ!?」
「そうですよ! 彼女がそうだと知っていれば、記念に握手くらいはして貰ったのにぃぃ!!」
「あはは……。私も成り行きで知っただけだから、あまり人に話さない方がいいのかなって思って」
みんなからブーブー文句を言われ、思わず苦笑する。
すると話を聞いていた朱音ちゃんが、九条くんとお母さんを見て首を傾げた。
「でも神琴様は、さっき話を聞いても動じていませんでしたよね? それに風花さんも」
「俺はまふゆと一緒に彼女から直接半妖であることを聞いていたからね」
「わたしは元々カイリのお母様が人魚だって知ってたもの。その縁もあってバイトに雇うことにした訳だし」
「えっ!? お母さん、カイリちゃんのお母さんと知り合いだったの……!?」
驚きに私が叫ぶと、お母さんが肩をすくめた。
