「……そうか。カイリはおまいさんに、自分の秘密を話したんだべな」
「あっ……!」
指摘されてまた口が滑ったことに気づき、私はサッと顔を青ざめさせる。
――しかし、
「まふゆちゃん……って言ったべな。顔を上げてくんろ」
魚住さんは私を咎めることなく、落ち着いた声でそう言った。
「カイリが本当に海神に会いに海へ出たのなら、それはカイリ自身の意思だべ。まふゆちゃんのせいでは決してないべ」
「で、でも……!」
「魚住さんの言う通りよ、まふゆ。責任を感じて逸る気持ちは分かるけど、海は広いのよ。カイリを確実に探す方法を考えなきゃ、ただの時間の無駄になってしまうわ」
「う……」
九条くんだけでなく、魚住さんとお母さんにまで諌められてしまい、ようやく熱くなっていた頭が冷えて冷静になってくる。
「けれど実際どうします? この悪天候の中で海を捜索となると、船を出すことも出来ませんが……」
「それなのよねぇ。何か船に代わる方法は――」
「うう……」
一体、どうすればいいんだろう?
結局何も出来ない歯痒さに私がぎゅっと手を握り締める。
――その時だった。
「おいおいおいおい!」
漂う重い空気を吹き飛ばすような快活とした明るい声が、玄関に響き渡った。
「お前ら誰かを忘れてねーか? そーゆー時こそ、水輝の出番ってなっ!!」
「いやなんでそこで雷護がドヤるのさ!?」
会話に突然入ってきた二つの声に驚き見れば、いつの間にか夜鳥くんと雨美くんが私達の後ろで腕を組んで立っているではないか!
「ふ、二人とも!? いつから起きて……!?」
「二人だけじゃありませんよ!」
「まふゆちゃん、わたしもいるよ!」
「!!」
その声に更にハッとすれば、今度は木綿先生と朱音ちゃんが夜鳥くん達の背後からひょっこりと顔を出した。
