雪女ですがクラスのイケメン妖狐の癒し係になりました



「お母さんっ……!!」

「あーもー、泣かない泣かない。全くアンタの泣き虫はいつまで経っても治らないんだから」

「外じゃ滅多に泣いたりしないから、泣き虫じゃないし!」

「あーはいはい。そうだったわね」


 すかさず反論する私に、お母さんは呆れた声を出しながらも私の背中を宥めるように撫でてくれる。
 それに私も甘えるようにして、ぎゅっと抱きつく力を込めた。

 懐かしい。昔はいつもこんな感じだった。
 お母さんお母さんって、何かある度に泣きついてたっけ。
 今だけはちょっとだけ、昔に戻ってもいいよね……?

 それから少しの間そのままでいた時、不意にお母さんが「あ、そうそう」と声を上げた。


「……何?」

「ひとつだけ、アンタに教えておくわ」

「?」


 そう言ってお母さんは私の耳元に口を寄せ――、


「――――――――」

「!?」


 囁かれた言葉に驚いて、思わずお母さんを凝視する。


「なっ!? なんで私が悩んでるって知って――」


 ――ドカーーンッ!!!


 叫んだ瞬間、同時に家の中から酷い爆発音が響き、あまりのことに私達は顔を見合わせた。
 窓からはモウモウと黒い煙が上がり、「米が吹っ飛んだぞーーっ!?」と叫ぶ声までが響いてくる。


「ねぇ……。今のって台所からよね?」

「……カレー、食べられるかなぁ?」


 この時の私の予感は見事に的中した。

 結局ボロボロに破壊されて使い物にならなくなった台所での調理を断念し、その日の夕ご飯はカレーから屋台のタコライスに変更になったのであった。