「ねぇ、お母さん! 紫蘭さんは今何してるの!? 陛下は病気だったって言ってたけど、元気なんだよね!?」
「まふゆ……」
「ねぇ、教えてよ! ねぇ!」
必死に言い募る私に、お母さんは驚いたようにこちらを見つめて、そして――。
「わ、わわっ! 何っ!?」
突然ぐしゃぐしゃと思い切り頭を撫でられて、私は悲鳴を上げる。
そして真剣に話してるのにとキッと睨みつければ、お母さんはドキッとするくらいに穏やかな目で私を見ていた。
「お、おか……」
「まふゆが九条くんを連れて来た時、ホントはめちゃくちゃ驚いたけど、同時に安心もした。ねぇ、まふゆ。九条くんとの〝縁〟大切にしてね」
「え……?」
紫蘭さんの話をしていたのに、どうしてそこで九条くんの名前が出て来るんだろう?
戸惑っていると、お母さんがニヤッといつもの調子で笑った。
「ていうかアンタ達本気で付き合ってないの? 朱音ちゃんに聞いたわよぉ? そのネックレス九条くんからなんだってね? これで付き合ってないなんて、怪しいわ〜」
「はっ!? え、な、何!? いきなり!?」
バッと胸元で揺れるホタル石を手で隠す。
すると真っ赤になった私を見て、更にお母さんがニヤニヤといやらしい笑みを浮かべた。
「お? 何その反応。こっちに来た時は無自覚っぽかったのに、さては最近何かあったな?」
「だ、だから何!? いきなりなんなの!?」
「はっはっは。こうして娘と恋バナするのが、わたしの密かな夢だったのだよ」
「お母さんっ!」
真面目にしろと怒鳴ると、お母さんはフッとニヤニヤ笑いを止めてこちらを見た。
「ごめん、まふゆ。アンタの知りたいことは全部分かってるつもり。だけどもう少し……、もう少しだけ待ってて。時期が来たら必ず全部話すから」
「お母さん……?」
また真剣な表情で言われ、私は言葉に詰まる。
一体、お母さんは何を抱えているの……?
不穏な様子に気圧されるが、しかしそれでもひとつだけ、今すぐに確認しておきたいことがあった。
