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「ふぅ。久々に本気で泳いだよ」
「ちっくしょー、結局水輝の圧勝かぁ」
「まぁ雨美は泳ぎのプロみたいなものだし、仕方ないさ」
「それにしても熱帯魚と珊瑚礁がすごく綺麗で、わたし感動しちゃったよぉ~」
「へへへ。ティダの海の綺麗さは、帝国一だからね」
ひとしきり遊んでレジャーシートに戻った私達は、海の家でお昼ご飯を購入し、食べながらお互いに遊んだことを話す。
ボートに乗った後は夜鳥くん達と合流して一緒に泳いだりと、なんだかんだとすっかり海を満喫してしまった。
「ふぁぁ」
「まふゆちゃん、眠い?」
「ちょっとね……」
欠伸をした私を見てくすりと笑う朱音ちゃんに、こくんと頷く。
早起きしてたくさん遊び、お昼を食べ終えて満腹。こんなん眠くならない方がおかしい。
「よし、んじゃまぁ……」
しかしそんな眠気とは無縁な男、夜鳥くんが勢いよく立ち上がって、元気に叫んだ。
「腹ごなしに、そろそろアレやろーぜっ!!」
「アレ?」
夜鳥くんが叫んで指差す方を見れば、あるのはレジャーシートの片隅に置かれた緑と黒の縦しまの丸い果実。つまりスイカだ。
そういえばまだスイカ割りをしていなかった。
「んー……、じゃあスイカ割りする?」
眠気を散らそうと伸びをしてみんなに聞けば、九条くんが頷く。
「そうだね。なら早速準備して、誰が割るか決めようか」
「はいはいっ! だったらもう僕も起き上がっていいですよね!?」
「いえ、先生はそのままで」
「なんでっ!?」
私達が遊んでいる間もずっと女体に土で固められたままだった木綿先生が、出たい出たいと騒ぎ出す。
お昼もみんなに食べさせて貰うという不憫な状態だったので、出してあげたいのは山々だが、朱音ちゃんがダメと言う以上、私に出してあげることは出来ない。
木綿先生にはもうしばらくこのままで居てもらう他ないようだ。
「じゃあ割るのは恨みっこなしで、木綿先生以外のジャンケンで勝った人でいいね?」
「おっし!! 絶対に勝ってやる!!」
「いくよ? ジャーンケン――……」
「ポンッ!!」
「うわーーーーっ!! 水輝に一人勝ちされたぁぁ!!!」
結果は雨美くんがチョキ。それ以外がパー。
と、いうことで……。
