雪女ですがクラスのイケメン妖狐の癒し係になりました



「雪守さんっ! お願いします!! 頼れるのは君しかいないんですっ! 九条くんとなんとか接触して、文化祭の挨拶と生徒会への参加の約束を取りつけて来てくださいっ!!」

「ちょっ、ちょっと!? 拝まないでくださいよ!! ていうか、どうして私なんですか!? 女の私が頼むよりも、男子同士の方がきっと……!」


 そう言って私は既に集まっていた、青色のツヤツヤ髪と黄色のツンツン髪が特徴の、同じく生徒会メンバーの男子二人を勢いよく見る。
 しかし今の今までこちらに注目していたはずの彼らは、私がそちらを見た瞬間に一斉に視線を逸らした。……おい。


「いやいや、適任者は雪守さんしかいないですよ! クラスでは席も隣同士だし、成績は常に1位と2位の関係! それに何より、生徒会長の不始末は副会長が片付けるべきですっ!!」

「なんですかその超理不尽な謎理論……」


 むちゃくちゃな屁理屈を自信満々に言い放ち、力強くこちらを見る先生。それに一気に脱力し、これ以上ゴネても埒が明かないと私は悟った。


「はぁ……、仕方ないですね……」


 ならば面倒なことはさっさと終わらせよう。そう結論を出して、私は先生に背を向け生徒会室の扉を開ける。


「あれ、雪守さん? どこへ行くんですか?」

「保健室へですよ。九条くんは放課後もしばらく保健室で寝ていると、以前クラスの女子達が話していたので。今の時間なら、まだ居るかも知れません」

「なるほど! そんな情報まで知っているなんて、やっぱり雪守さんに頼んで正解でしたね!!」

「…………」


 さっきまでの絶叫から一転、先生は調子良く「頑張ってください!」と、こちらに向かってニコニコ手を振る。


「……いってきます」


 それにまたどっと脱力しそうになったが、なんとか気力を振り絞り、私は保健室へと向かったのだった。