そんな疑問が顔に出ていたのか、夜鳥くんと雨美くんが説明してくれた。
「コイツらもオレらと一緒で、仲間と肝試しに来てたんだと。けど途中で木綿を見て驚いた拍子に、こいつらだけ仲間とはぐれて森の中に取り残されて迷子になったらしい」
「ほら、覚えてる? 森から桟橋までスゴイ勢いで走って行った人達。あの人達が、この二人のはぐれた仲間だったんだってさ」
「ああ……」
もちろん覚えている。確か彼らは、木綿先生を海神の怨霊か何かだと勘違いしたのだったっけか。桟橋が壊れるかと思うほど、ものスゴイ逃げっぷりだった。
しかし二人がここにいる理由は分かったが、もう一つ気になることがある。
「なんで二人は縛られてんの?」
「それがねぇ! この人達酷いんだよ!!」
首を傾げた私に、朱音ちゃんが憤慨しながら教えてくれた。
「見て! せっかく木に結んでた道しるべのリボンを、この人達ってば外して回ってたの!!」
そう言って朱音ちゃんが私に赤いリボンを見せてくる。それは確かに木に結ばれていたリボンで、私は驚きに目を見開いた。
まさかリボンが途切れた原因がこの二人の仕業だったとは……。これは思いもよらない。
「どうやら森の中をあちこちウロついて、目についたリボンを片っ端から外してたみたいだね」
みんなが厳しい視線を向けると、二人は弁解するかのように必死に首を横に振った。
「そのリボンが目印だとは思わなかったんだよぉ!!」
「そうだよ!! 海神の怨霊に会って気が動転してたんだ!! 海神がつけた呪いの印かと思ってもおかしくないだろ!?」
二人組が必死に私達に向かって叫ぶ。
まぁ恐怖のあまり気が動転して正常な判断が出来ないのは、一理ある。
同じ怖いものが苦手な者として、こうも責め立てるのは可哀想になってきた。
トラブルもあったが、こうしてみんな無事に森から出られたんだし、そろそろ縄くらいは解いてあげてもいいんじゃないのかな?
そう私が言おうとし、しかしその前にお母さんが深い溜息をついた。
