雪女ですがクラスのイケメン妖狐の癒し係になりました



 ◇


「――――え?」

「あれっ?」


 夜鳥くん達の声を頼りに森を駆け抜けて、飛び出した先に現れたのは、あの行きの時に渡ったオンボロ桟橋であった。


「え? ここって森の入り口だよね……? なんでいきなりここに出たんだろ?」

「分からない。けど魚住さんは、桟橋まで一本道(・・・・・・・)だと言っていた。もしかしたら……」


 思案顔で九条くんが何かを言いかける。
 しかしそれは、背後から響く大きな声によって掻き消されてしまった。


「おいっ!! いたぞっ!!」

「ホントだ! 風花(かざはな)さーん! 雪守ちゃん達を発見しましたーーっ!!」

「まふゆちゃん、神琴様!! はぁぁ~、よかったぁ〜〜!!」


 森の方からバタバタと夜鳥くんに雨美くん、それに朱音ちゃんが走って来る。


「ああーーっ! お二人ともぉ! 本当によかったですぅ~〜!!」

「やれやれ、無事に戻って来たのね」


 更に空からふわふわと降りてくるのは、見慣れた薄っぺらな白い布……。


「お母さん! また木綿先生に乗って……て、え!? ていうか、その後ろに乗ってるのは……!?」


 私は一反木綿(いったんもめん)姿となった先生に乗るお母さんの後ろ(・・)を指差して叫んだ。

 何故ならそこにいたのは――。


「うわぁぁ!! 雪守じゃねーか!!」

「頼む!! この人達を(なだ)めてくれよぉーーっ!!」


 なんと以前かき氷を買いに行った際に私に声を掛けてきた、自称中学の同級生二人組ではないか!! 
 どうしたことか、彼らは縄でグルグル巻きにされて、今は木綿先生の背中で泣いている。
 
 なんでこの二人がこんなところに……。