雪女ですがクラスのイケメン妖狐の癒し係になりました



「というかアンタ達……。どういう話をすれば、わたしと先生が死んだ流れになるのかしら?」


 呆れたように溜息をつくお母さんに、私は先ほど走り去った集団のことを伝える。
 するとお母さんは「ああ」と頷いて、木綿先生の肩を叩いた。


「そりゃその少年少女が見たのは木綿(ゆう)先生であって、海神じゃないわ。ね、先生」

「えっ! そうなの!?」


 お母さんの言葉に木綿先生が顔を(しか)めながらも頷く。


「そうなんですよぉー!! まったく彼らったら、僕を見て海神の怨霊だとか言って叫んだんですよ!? 失礼しちゃいますっ! 一反木綿(いったんもめん)って、そんなに知名度の低い存在でしたかね!?」

「はあ……」


 プリプリと興奮気味に木綿先生が語るが、今は一反木綿の知名度のことなどどうでもいい。
 大事なのは、さっき走り去って行った男女のグループが単に勘違いをしていたということである。

 ……あれ? でも、


「じゃあつまり二人はさっきの人達と森で鉢合わせしたってことでしょ? そもそもお母さん達は、なんで森の中から出て来た訳?」

「なんでってそりゃ、肝試しのコースを決めて目印を付けていたのよ。この森も広いし、ただ闇雲に歩いてたら迷っちゃうでしょ」


 そう言ってお母さんが履いてる短パンのポケットから赤いリボンを取り出し、私達に掲げて見せる。
 なるほど、それを木に括り付けてコースの目印にしたのか。


「ってことで早速ルール説明よ。くじ引きで2組に別れて、互いに違うコースをくるっと一周。で、先にこの場所に戻ってきたチームが勝ちってことで」


 お母さんがそう説明を終えると、いつの間に作ったのか、木綿先生がクジ箱を私達に見せた。

 え、というか……。