雪女ですがクラスのイケメン妖狐の癒し係になりました



「え、今のって……」

「多分俺達以外に肝試しに来た人達だろうね」


 私の呟きに九条くんが冷静に答えてくれるが、他のみんなの顔色は悪い。


「ねぇ……なんかあの人達、海神様に謝ってなかった……?」

「はい。しかも〝肝試しはもうしません〟って……」

「まさかマジで風花さんと木綿も……」

「え……」


 さっきまでの賑やかな雰囲気が一変し、辺りに神妙な空気が漂い始める。

 そんな……嘘だよね?

 お母さん、木綿せんせ……。


「お、来てる来てる。おーいっ! アンタ達ー!!」

「みなさん、お疲れ様でーすっ!!」

「ぎゃああああああああ!!?」


 いきなり森からガサガサと物音がし、ぬっと現れた二つの人影に、私は悲鳴を上げて()け反った。


「はぁ、こうも暗くて広いと歩くのも大変だわ。……て、まふゆ。アンタ尻餅ついて何やってんの?」

「お、お母さん……」


 どうやら森から出て来た二つの人影は、お母さんと人型に戻った木綿先生だったようである。
 な、なんだ。いきなり出てきて脅かさないでほしい。

 しかしホッと胸を撫で下ろせば、周囲から感じるのは生暖かい視線。


「まふゆちゃん……」

「雪守、お前やっぱりビビッて……」

「ないっ!! ビビッてなんかないっ!! たださっきの話の流れだと、てっきりお母さんと先生は死んだと思うじゃない!? みんなだってさっきは神妙な顔してたでしょ!?」


 動揺してたのは私だけじゃないと主張するが、それにみんなは「え?」という表情で顔を見合わせる。


「いや、マジでそうとは誰も思ってねーよ。なんつーか、ノリだよノリ。肝試しの雰囲気作りっつーか」

「はぁっ!!?」


 出たよノリ!! そんなもん分かるかっ!!