「おおっ!! 水色の髪の子の方がスゴイぞ!! もう食べ終えちゃいそうじゃん!!」
「!!」
考え事をしていた頭に観客席が騒がしい声が響き、私はハッと隣を見て……、
またも言葉を失った。
「カ、カイリちゃんっっ!!?」
なんとカイリちゃんの器に残っているかき氷は、あと僅か。今まさにラストスパートをかけるところだったのだ……!!
「ちょっ……、夜鳥くん急いで!! カイリちゃんが食べ切っちゃう!!」
「おまっ、無茶言うなよ!! だいたい雪守が全然食えてねーからじゃねーかっ!!」
「うう……」
私はハラハラと夜鳥くんとカイリちゃんを交互に見やる。
「…………?」
するとかき氷をドンドンと口に入れ、絶好調に見えたカイリちゃんの様子が変であることに気がついた。
「……っ、」
唇は紫を通り越して青色だし、肩も小刻みに震えている。
そりゃあ、あんな巨大なかき氷を一人でほとんど食べ切ったのだ! 具合が悪くならない方がおかしい……!
「カイリちゃん! 無理はしちゃダメだよ!! ヘルプカードを使って――……」
「いい! あたしはあたしの力だけでアンタに勝ってみせる! そして絶対に、氷の妖力をもつ妖怪に会うんだ……!!」
「!!」
唇が震えているにも関わらず、カイリちゃんがこちらを見て強く言い切った。
彼女のその力強い眼差しに、私は気圧される。
……なんで?
なんでそこまでして、氷の妖力をもつ妖怪を――……?
◇
「はーいっ! ということで、勝者はカイリー!! これ賞品の花火大会の特別観覧席のチケットね。おめでとぉーー!!」
「ありがとうございます」
観客達の盛大な拍手の中、ステージの真ん中で賞状と賞品をカイリちゃんはお母さんから受け取る。
結果は見ての通り、夜鳥くんの健闘も虚しくカイリちゃんの圧勝だった。
雪女の癖に全然かき氷を食べられなかったのは恥ずかしい限りだが、カイリちゃんのあの危機迫る覚悟の前には負けて当然なのかも知れない。
問題は〝負けたら氷の妖力をもつ妖怪を紹介する〟という約束なのだが……。
