雪女ですがクラスのイケメン妖狐の癒し係になりました



「オラ、雪守ぃ! 頭痛に負けてないで、もっと手ぇ動かせ!!」

「頑張れ、雪守ちゃーん!! ボクらの花火大会特等席の為にーー!!」 


 ゲンナリとしていた私に掛けられる、夜鳥くんと雨美くんの声援。
 別に花火大会の為にやってる訳ではないのだが……。


「まふゆ!」


 ――――あ。


 未だ花火花火と騒がしい二人の横で、九条くんが私の名前を呼んだ。

 そしてその金色の瞳と目が合った瞬間、私の手は完全に止まった。


「あーーっ!! まふゆの手が完全に止まったわーーっ!!」

「雪守さぁぁぁん!! ガッツです!! 最後まで諦めちゃいけませんよぉぉーー!!」


 木綿先生……。

 その鼓舞になんとか応えたいが、なんでだろう? 九条くんの目を意識した途端、今私が彼にはどう映っているのかばかりが頭を占めてしまう。

 このままじゃカイリちゃんに負けちゃうって、焦るのに。
 ……そういえばカイリちゃん。彼女は今どれくらいかき氷を食べたんだろう? 


 私はチラリと横目で様子を伺い――。


「――――!?」


 まさかの光景に言葉を失った。


「おーっとぉ!! まふゆが頭を抱えている間に、カイリが一気に追い上げて来たわよっ!! カイリのかき氷はもう残り半分!! まふゆ、アンタも早く復活しないと負けちゃうわよ〜!?」

「……っ!」


 う、嘘でしょ!? あの巨大なかき氷の山の半分がもう消失しているなんて……っ!!
 想定外のカイリちゃんのスピードに、私は一気に動揺する。

 ど、どうしよう!? 正直もうすっかり食欲は失せている。
 それでもなんとか余力を振り絞ってムリやり口に詰め込むか、それとも――……。


「…………」

「あーっとぉ! ここでまふゆがヘルプカードを挙げたわーーっ!! 観客席から助っ人を一人選べる訳だけど、まふゆは一体誰を選ぶのかしら!?」


 私が静かに挙げたヘルプカードを見て、お母さんが観客席に向かって叫んだ。
 すると観客達は誰が呼ばれるのかと、ザワザワし出す。


「さぁ、まふゆ! 早く助っ人の名前を呼んで!!」

「……えっと」