◇
「ごちそうさまー!」
「はぁー、ソーキそばもいなり寿司も美味しかったぁ!」
「これって帝都でも食えねーのかなー?」
「どうだろうね? 帝都でティダ料理を出す店って、覚えはないけど……」
食事を終え、食後のさんぴん茶を飲んでみんなでまったりと一服する。
すると雨美くんが、ふと思いついたように「ねぇ」と言った。
「そういえば雪守ちゃんが出るコンテストって、優勝賞品はどんなのなの?」
「ん? ……えーと、確かお母さんの話だと、再来週にある花火大会の特別観覧席だったかな?」
「ええっ、花火!?」
私の言葉に即座に反応し、目をキラキラとさせているのは、もちろん朱音ちゃんだ。
更に雨美くんと夜鳥くんもそれに乗っかって歓声を上げる。
「やったぁ! 特別な席で花火が見られるなんて、楽しみだね!」
「雪守サンキューな!」
「いやまだ優勝するって決まった訳じゃ……」
むしろ優勝出来るとは到底思えないんですが……。
ていうか最初カイリちゃんより上の順位になればいいって話だったのに、なんかハードル上がってない?
花火で盛り上がる面々を見つめながら、プレッシャーによるものなのか、ソーキそばといなり寿司を収めた胃がキリリと痛んだ。
◇
――さて、腹ごしらえをした私達が次に向かったのは、もちろん水着探しと共に目的のひとつであったお城……だったのだが。
「おいっ! なんかこれ面白そうじゃね!?」
お城に向かう道中、そう言って夜鳥くんが指差したのは、〝工芸体験〟と看板が掲げられたお店だった。どうやら獅子人形の絵付けやアクセサリー作りなど、様々な工芸体験が出来る場所のようだ。
確かに楽しそうではあるけれど……。
「お城に行くんじゃなかったの?」
「まだ時間的には余裕あんだし、いーじゃん」
「うーん」
まぁお城は逃げないし、寄り道くらい構わないか。
「じゃあせっかくだし、寄ってみる?」
「いいんじゃないかな。ちょうど木綿先生へのお土産にもなりそうだし」
「そういえば先生、うちの屋根にある獅子の置き物にも興味津々だったもんね」
そんな訳で珍しく夜鳥くんの提案は満場一致で受け入れられ、みんなで獅子人形の絵付けを体験することになった。
――――が。
