「まふゆ、アンタが責任持って氷の妖力を持つ妖怪を紹介してあげなさい」
「責任持ってって……」
微妙な顔をする私に、お母さんはニコリと笑う。
「アンタ生徒会なんでしょ。特権でもなんでも使って学校中調べてみなさいよ。案外一人くらいは、正体を隠している生徒がいるかも知れないでしょ?」
「なっ……!?」
お母さんの言わんとする意味に気づいて声に詰まる。
だってそれじゃまるで、私の正体を教えろと言っているようなものじゃない! お母さんが散々私に雪女の半妖であることを知られちゃダメって言ってきた癖に、なんで!? ていうかだったらお母さんが雪女だってバラせば……!!
――て、お母さんには妖怪じゃない疑惑があるんだった……。
「カイリもそれでいいわね? 負けたらまふゆに頼るのはキッパリ諦めなさい」
「分かりました。ありがとうございます、風花さん!」
「ちょっ、ちょちょっ、ちょっと待って!?」
カイリちゃんがお母さんに力強く頷いて、二人は話がまとまったと言わんばかりにお店へと戻ろうとする。
しかし私はまだ了承した覚えはない。慌てて呼び止めれば、振り向いたお母さんが笑う。
「そうそう、コンテストには水着で来なさいよ。今週末だから忘れないようにねー」
「ちょっ……!」
私の言葉を完全スルーし、好きなことを言って去っていくお母さんに、私は頭を抱えた。
するとそんな私を九条くんが呼ぶ。
「――まふゆ」
「九条くん!! 今の酷いと思わない!? さすがに横暴過ぎる……!!」
この遣り場の無い憤りを共有しようと、涙目で振り向く。
しかしそれに九条くんは申し訳なさそうに眉を下げただけだった。
「ごめんまふゆ。気持ちは分かるけど、それよりもまず、早くかき氷を持って行かないと……溶ける」
「あ」
その言葉で、そもそも私達がなんの為にここまで来たのかをやっと思い出した。
