「え、どうして? お金はちゃんと払ったよね?」
「店は大丈夫なのかい?」
「…………」
九条くんと朱音ちゃんも、カイリちゃんを見るなり驚き、訝しげに彼女へ質問する。
しかしカイリちゃんはその質問には一切答えず、そのままツカツカと私の極至近距離まで歩いて来た。
「あ、あの……?」
「…………」
「カイリちゃん?」
あまりに近い距離で顔を突き合わせているのにたじろぐと、元々気の強そうなカイリちゃんの水色の猫目が、ますますつり上がった。
ビシバシ生えている長いまつ毛も相まって、目力が強くて怖い。
なんだろう? 私、何かしただろうか?
「……どうしたの?」
よく分からない状況に戸惑っていると、ずっと黙っていたカイリちゃんが、ようやく口を開いた。
「……アンタ」
「?」
「アンタって帝都の日ノ本高校に通ってんだろ?」
「え……あ、うん」
いきなり何を言われるのかと身構えていたので、なんだそんなことかとホッと肩の力を抜いて頷いた。
「そうだよ。私は日ノ本高校の、今2年生だよ」
「――――!」
すると私の答えに、カッ! と目を見開いたカイリちゃんが、ガッと強い力で私の両肩を掴んだ。
い、痛いっ!! 肩に指がめり込んでいるんですがっ!!?
「あのっ! カイリちゃ……っ!!」
「頼むっ!! あたしに氷の妖力をもつ妖怪を紹介してくれ!!」
あまりの痛みに私が文句を言おうとするのと、カイリちゃんが叫んだのは同時だった。
