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「まふゆちゃん、風花さんのかき氷すごくキレイだね! 生クリーム盛り盛りな上に、フルーツがたくさん乗ってて美味しそう!!」
「帝都じゃ見かけないフルーツだけど、マンゴーってさっき言ってたね?」
砂浜を歩きながら、朱音ちゃんと九条くんが手に持ったかき氷を珍しそうに見つめている。その全く同じ仕草に吹き出しそうになりながら、私は頷いた。
「うん、マンゴーだよ。トロけるくらいにすごーく甘くて、ほら、太陽の香りがするでしょ?」
お母さんのかき氷は、そんなマンゴーがふんだんに使われており、ふわっふわの白雪のような氷にの上に、マンゴーソースとココナッツミルクソース。更には生クリームとカットしたマンゴーがキレイに飾りつけられている。
「本当だ! お日様の匂いがする!」
「マンゴーは初めて食べるし、楽しみだな」
楽しそうに笑う二人に私も笑い返し、口を開いた。
――その時だった。
「なぁ、アンタ。雪守まふゆ」
「え……?」
不意に後ろから名前を呼ばれて、私は足をピタリと止まる。
一瞬また自称同級生かと考えたが違う。何故なら掛けられた声は、つい先ほど聞いたばかりのハスキーな声だったから。
ということは、もしかしなくても……。
「えっと、どうしたの? ……カイリちゃん?」
振り返ってみればやはり想像通り、先ほどお母さんにアルバイトだと紹介された、魚住カイリちゃんが立っている。
少し息を切らしているところを見ると、店から走って来たのだろうか?
