「お母さん、かき氷六つね」
「あらまふゆ、それに九条くんに朱音ちゃんも。かき氷を買いに来てくれたのね」
自称同級生の二人組が去った後、ようやく私達はお母さんのお店へと辿り着いていた。
運良く先ほどまで大勢いた若い女性達もいなくなっており、すぐに注文を終えて出来上がりを待つ。
「はぁ、ちょうど空いててよかったぁ」
「うんっ! どんなかき氷か楽しみー」
「お待たせしました、かき氷六つです」
「わっ、早っ!? ありが……」
話をする間もなく、すぐにかき氷は出来上がったようだ。それに私はお礼を言おうと目の前の人物に目線を向け、瞬間ポカンと顔が固まった。
何故ならてっきりお母さんがかき氷を運んできたのだと思ったら、全くの別人だったからである。
「マンゴーかき氷の濃厚ココナッツミルクソース掛けを六つで間違いありませんね?」
「は、はい……」
少しハスキーな、けれど女の子だとは分かる声。
目の前に立つのは小麦色に日焼けした肌に水色のショートヘア、そして気の強そうな水色の猫目にビシバシと長いまつ毛が特徴の、私と同い年くらいの背の高い女の子だった。
両耳には大きなピアスが揺れており、その出立ちは〝ギャル〟という言葉がとてもしっくりくる。
妖力は感じないし、人間の女の子だろうか?