雪女ですがクラスのイケメン妖狐の癒し係になりました



 中学の、同級生……?

 その言葉に目をパチクリさせて、もう一度彼らをじっくり見る。

 しかし……。


「???」


 いやこんな人達、同級生にいたっけ??

 どんなに首を捻っても、頭から何も出て来ない。
 そんな私の薄すぎる反応に、自称同級生だと言う男二人は微妙な顔をした。


「あーあ。やーっぱ、オレらのことなんか覚えてねーかぁー」

「中学一の高嶺の花だったもんなぁー。〝雪の女王〟なんて呼ばれてたくらいだし」

「はっ!?」


 なんだその恥ずかしいあだ名は。初耳なんだが。


「ていうか雪守って、帝都の高校に行ったんじゃなかったっけ?」

「あ、夏休み? つーか一緒にいるの、彼氏……じゃないよなぁ? 女の子もいるし」


 男達の視線が私から九条くんと朱音ちゃんへと移る。


「あの……私達急ぐから」


 そのジロジロと不躾な視線が嫌で、話を切り上げ立ち去ろうとした。

 ――が、


「待てよ! まだ話は終わってないし」

「!」


 そう言われて、自称同級生の一人に腕を取られてしまう。


「ちょうどオレらの他にも、同中のヤツらが海に来てんだよね。せっかくだし、同窓会しよーよ。あ、女子もちゃんといるからさ」

「そっちの二人も一緒に来ればいいし。てか、全員顔面偏差値高ぇな! 他のヤツらも盛り上がりそう!!」

「はあ!?」


 なんだか勝手に話がまとまってるが、冗談じゃない! 同窓会なんて、顔も名前も殆ど覚えていない状態で行っても、ただ気まずいだけじゃないか!!


「ほら、他のヤツらも雪守に会いたがってんだって!」

「ちょっ……!?」


 とりあえず腕を離してくれと言おうとしたところで、有無を言わさず掴んだ腕を引っ張られて、思わず顔を(しか)める。

 すると……、


「――待った」


 そんな私達の間に割って入るようにして、九条くんが私の腕を掴む自称同級生の肩を掴んだ。


「な、なんだよ?」

「申し訳ないですが、俺達の他にも連れを待たせているので、同窓会はまたにしてもらえませんか?」


 言葉遣いは丁寧だが無言の圧を感じる。
 そしてそれは自称同級生も同じだったようで、男二人が目に見えてたじろいだ。


「え、えー……、じゃあその連れも一緒でいいからさぁー――……」


 それでもしつこく男が言い募ろうとして、しかし途中で口がピタリと止まった。


「……っ、いやっ! やっぱいいわ!! おい、もう行こーぜ!!」

「おうっ!! じゃあな、雪守! 久々に会えて嬉しかったわ!」

「え、あ……」