「あのポスター、どの屋台にも貼ってあるね。何かのイベントかなぁ?」
「ん?」
朱音ちゃんの指差す方を見れば、確かに同じポスターがいくつも目についた。
「本当だ。……〝ピチピチ☆渚のマーメイドコンテスト〟?」
「今週末に開催だって」
「へぇ……」
文化祭の何かを彷彿とさせる小っ恥ずかしいネーミングだが、名前の感じからしてミスコンの類いだろうか?
「まふゆちゃんが出たら、きっとブッチ切りで優勝だね」
「いやいや、そこは朱音ちゃんでしょー。――と、あそこ」
足を止めて、私は前方を見る。
すると目の前にはポップな色合いの可愛らしい屋台があり、私はその店を指差した。
「あれがお母さんのお店」
「えええっ、可愛いっ!! それにすごいお客さんの量!!」
朱音ちゃんが驚くのも無理はない。
屋台前はたくさんの若い女性達で混雑しており、お母さんの姿を見つけることも出来ないくらいなのだ。
毎年の見慣れた光景ではあるが、お母さんはきちんと店を切り盛り出来ているようで、私は内心ホッと胸を撫でおろす。
「ちょっと待つことになりそうだけど、大丈夫?」
そう二人に聞くと快く頷いてくれたので、早速店の列に並ぼうと足を踏み出した――その時だった。
「――あれ? お前、雪守じゃね?」
「!!」
突然背後から名前を呼ばれ、驚いた私は足を止めて振り返る。
するとそこにいたのは……。
「……え?」
派手な水着を着た金髪の男が二人。年齢は見た感じ、高校生くらいだろうか?
男達はこんがりと日焼けした肌に、重そうな金のネックレス。耳にはいくつものピアスをつけている。
……はて? こんな方々とお知り合いになった覚えは無いんですが??
「えーと、どこかでお会いしましたっけ?」
「何言ってんだよ、雪守! オレらだよ、オレオレ!」
?? オレオレ詐欺?
「中学で一緒だった!」
「え?」
――――中学?
