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「わぁ……っ!」
あれから手早く準備を整えて、家の裏の海へと繰り出した私達。
エメラルドグリーンに煌めく海に、白いサラサラの砂浜は、やはり帝都育ちのみんなには珍しいみたいで、歓声もそこそこに目の前の光景に魅入っている。
「噂には聞いてたましたが、本当にティダの海は透き通っているんですね」
「ええ。この海を間近で見れただけでも、ティダに来た甲斐があったというものです」
九条くんと木綿先生がそう話している横で、雨美くんが「あ」と、何か見つけたのか砂浜の上でしゃがんだ。
「見てよっ! 砂が星の形なんだけど!!」
「マジか!?」
ほら、と見せてくる砂は確か星の形だ。みんなが興味津々に雨美くんの持つ砂を見る。
「それは〝星の砂〟って呼ばれる砂だね。ティダの砂浜はどこでもその砂だよ」
「へぇー! なんだかロマンチックだねぇー!」
そう言って白いワンピースに涼しげなポニーテール姿の朱音ちゃんは、「お土産にしよう」と星の砂を拾い集めている。
その神々しいまでの可愛さに内心悶えていると、横から九条くんに声を掛けられた。
「バーベキューセットは海の家で貸し出してるんだっけ?」
「うん。釣具は家から持って来たし、肉と野菜もバーベキューセットについてくるみたい」
言いながらみんなでバーベキュー出来る場所を探して砂浜を歩くが、夏真っ盛りということもあって、海には大勢の人々が溢れかえっている。
いくつもの視線がこちらに向けられているのも感じるが、まぁ九条くんを筆頭に顔がいい面子がこうも揃っていては、注目が集まるのも無理もないだろう。
