雪女ですがクラスのイケメン妖狐の癒し係になりました



 ◇


「わぁ……っ!」


 あれから手早く準備を整えて、家の裏の海へと繰り出した私達。
 エメラルドグリーンに(きら)めく海に、白いサラサラの砂浜は、やはり帝都育ちのみんなには珍しいみたいで、歓声もそこそこに目の前の光景に魅入っている。


「噂には聞いてたましたが、本当にティダの海は透き通っているんですね」

「ええ。この海を間近で見れただけでも、ティダに来た甲斐があったというものです」


 九条くんと木綿先生がそう話している横で、雨美くんが「あ」と、何か見つけたのか砂浜の上でしゃがんだ。


「見てよっ! 砂が星の形なんだけど!!」

「マジか!?」


 ほら、と見せてくる砂は確か星の形だ。みんなが興味津々に雨美くんの持つ砂を見る。


「それは〝星の砂〟って呼ばれる砂だね。ティダの砂浜はどこでもその砂だよ」

「へぇー! なんだかロマンチックだねぇー!」


 そう言って白いワンピースに涼しげなポニーテール姿の朱音ちゃんは、「お土産にしよう」と星の砂を拾い集めている。
 その神々しいまでの可愛さに内心悶えていると、横から九条くんに声を掛けられた。


「バーベキューセットは海の家で貸し出してるんだっけ?」

「うん。釣具は家から持って来たし、肉と野菜もバーベキューセットについてくるみたい」


 言いながらみんなでバーベキュー出来る場所を探して砂浜を歩くが、夏真っ盛りということもあって、海には大勢の人々が溢れかえっている。
 いくつもの視線がこちらに向けられているのも感じるが、まぁ九条くんを筆頭に顔がいい面子(めんつ)がこうも揃っていては、注目が集まるのも無理もないだろう。